Cerebrasの初決算後に株価急落、CEOは利益率見通しが誤解されたと主張

Cerebrasの初決算後に株価急落、CEOは利益率見通しが誤解されたと主張

AIチップのスタートアップ企業Cerebras Systemsは、上場後初の決算において投資家を失望させる粗利率予測を示し、時間外取引で株価が20%超急落した。かつてNVIDIAの潜在的な競合相手として注目されたこの企業のCEO、Andrew Feldmanはその後すぐに火消しに走り、市場が同社の利益率見通しを誤解していると述べた。

Cerebrasは2025年4月にSPAC(特別目的買収会社)との合併により上場し、当時の評価額は約40億ドルだった。しかし、超大型ウェーハスケールエンジン(Wafer-Scale Engine)チップで知られる同社は、6月24日に発表した決算において、コア事業であるAIトレーニングおよび推論チップの次四半期の粗利率が前四半期の65%から55〜60%に縮小するとの見通しを示した。この予測が即座に市場の売りを誘発した。

決算数字の背後にある懸念

決算によると、Cerebrasは2026年3月31日終了の四半期において売上高2億1,200万ドルを達成し、前年同期比47%増となりアナリスト予想を上回った。しかし、純損失は前年同期の1億1,000万ドルから1億5,000万ドルに拡大し、主な要因は研究開発費と販売コストの増加だった。さらに重要なのは、経営陣がコア事業の次四半期粗利率の縮小を予測したことであり、その理由として製品ミックスの調整、高性能コンピューティングおよびクラウドサービス顧客へのサポート強化、ならびに新規顧客との異なる価格体系を挙げた。

「私たちのガイダンスは、初期利益率は低いものの長期的には安定した収益をもたらす一群の新規顧客契約に基づいた保守的な試算です。市場は数字だけを見て、私たちの戦略転換の意図を理解していないのかもしれません。」 —— Cerebras CEO Andrew Feldman、決算電話会議にて

Feldmanは、同社がアブダビのG42グループなど少数の超大型顧客への依存から、より幅広い顧客基盤へとシフトしつつあると強調した。このプロセスでは初期の利益率が一時的に圧迫されるものの、2027会計年度には65%超の水準に回復すると見込んでいるという。しかし投資者は納得していないようで、一部のアナリストはCerebrasの顧客集中度が依然として高いと指摘している。G42だけで前四半期の売上高の約62%を占めており、顧客を一社でも失えば業績に甚大な打撃を与えかねない。

AIチップ市場の厳しい現実

Cerebrasが直面する困難は同社に限った話ではない。グローバルAIチップ市場では、NVIDIAがCUDAエコシステムと強力なGPU製品ラインを武器にトレーニングチップの90%超のシェアを握っている。CerebrasのウェーハスケールチップはCPU並列計算などの特定の大規模タスク(気候シミュレーションや創薬など)において優れたパフォーマンスを発揮するものの、商業化のプロセスは常に困難を伴っている。さらに、マイクロソフト、グーグル、アマゾンなどのクラウド大手が自社AIチップの開発を相次いで進めており、独立系チップ企業の生存空間はますます狭まっている。

編集注:Cerebrasの上場からはまだ日が浅く、SPAC上場というモデル自体に、ハイリスクなテクノロジー株に対する個人投資家の信頼不足という問題がある。今回の粗利率予測による急落は、本質的には未だ黒字化を果たしていないAIチップ企業の評価に対する市場のストレステストと言える。CEOが「誤解」と主張しても、投資家が気にしているのは「いつGAAP基準で黒字化できるのか」「NVIDIAの影の下で持続可能なポジションを見つけられるのか」という点だ。

注目すべき点として、CerebrasはOpenAIやMetaなどの大規模言語モデル利用企業との協業進捗、ならびにCS-3システムの政府・企業市場や研究機関への展開をアピールした。しかしウォール街が重視するのはあくまで財務データそのものであり、AIインフラへの投資が過熱する中、利益率低下のシグナルは何であれ増幅されて受け止められる。

発稿時点でCerebrasの株価は12.35ドルで引け、SPAC発行価格の10ドル/株から23%の上昇を保っているものの、上場後に一時記録した18ドルから3分の1下落した水準にある。複数の投資銀行が目標株価を引き下げ、モルガン・スタンレーは売上の持続可能性への懸念を理由に格付けを「オーバーウェイト」から「ニュートラル」に引き下げた。

今後数四半期はCerebrasにとっての重要な試練の時となる。新規顧客契約を持続的な収益成長に転換しつつ、コストを抑制して粗利率を改善できるかどうかが問われる。CEOの「戦略転換」という主張が正しいと証明されれば、今回の株価急落は絶好の押し目買いの機会となり得る。そうでなければ、野望を抱くこのAIチップ企業はより厳しい現実に直面することになるだろう。

本稿はTechCrunchより翻訳・編集したものです。