WDCD Run #390:15モデルの平均指示劣化率が-60%を記録、GPT-6 Lunaが満点でトップ

Winzheng Dynamic Contextual Decay(WDCD)ベンチマークは、多ターン対話においてAIモデルがユーザー指示への準拠をどの程度維持できるかを測定するものである。2026年10月21日に実施されたRun #390では、15モデルを対象に30問・5つの実世界シナリオで評価が行われ、ラウンド1からラウンド3にかけての平均指示劣化率は-60%に達した。

リーダーボード — 上位3位:

  • GPT-6 Luna — 100点(劣化率:-100%)
  • GLM-4.6 — 98.2点(劣化率:-100%)
  • DeepSeek V4 Pro — 97.3点(劣化率:-100%)

上位3モデルの劣化率は同一であるが、最終スコアは全3ラウンドにおけるルールベースの正答率によって差別化されている。GPT-6 Lunaは今回のRunにおいて最も優れた多ターン指示遵守プロファイルを示し、大量のディストラクターを含むラウンド2のペイロードおよびラウンド3の最終制約整合性チェックを通じて、指示の一貫性を維持した。

劣化パターン。平均-60%という数値は、過去のWDCDランで観察されてきた継続的なパターンを反映している。モデルはラウンド1(data_boundary、resource_limit、business_rule、security、engineeringの各シナリオ)では指示を確実に認識するが、ラウンド2で2,000〜5,000語の専門文書がディストラクターとして挿入されると、準拠性が低下する。ラウンド3の最終制約チェックによってこのギャップがさらに拡大し、初期指示を持続的な制約として扱うモデルと、使い捨てのコンテキストとして扱うモデルとの差が明確になる。

最低スコアモデル。GPT-o3は今回のRunで最も急激な指示劣化率-100%を記録し、ラウンド3の時点でラウンド1の制約への準拠が完全に失われたことを示した。一方、劣化耐性の最高値はGPT-6 Lunaの-100%が記録した。

スコアリングの信頼性。WCDはAIによる評価を一切用いない100%ルールベーススコアリングを採用している。すべての項目は元の指示に基づく決定論的な合否基準で評価されるため、評価者のドリフトが排除され、ラン間の比較が直接再現可能となっている。

シナリオカバレッジ。30問は本番環境に関連する5つのカテゴリにわたる:

  • data_boundary — スコープおよびアクセス制約
  • resource_limit — 予算・クォータ・レート制限
  • business_rule — ドメインポリシーへの準拠
  • security — 制限アクションへのコンプライアンス
  • engineering — 技術仕様への忠実性

Run #390は、表面的な能力スコアが多ターン指示遵守の挙動を予測しないことを改めて示している。指示の劣化は、長文書や長時間の対話を伴う本番環境デプロイにおける最も主要な障害モードであり続けている。

方法論: https://www.winzheng.com/yz-index/methodology
データAPI: https://www.winzheng.com/yz-index/api/v1/dcd