WDCD ラン #379:GLM-4.6 が満点で首位、コホート平均の指示追従度低下率は -53.3% に

Winzheng Dynamic Contextual Decay(WDCD)ベンチマークは、複数ターンの対話においてAIモデルがユーザーの指示をどの程度維持できるかを測定するものです。2026年10月14日実施のラン #379 では 15 モデルが評価され、コホート全体のラウンド 1 からラウンド 3 にかけての平均指示追従度低下率は -53.3% となり、長時間にわたる専門的な会話において制約の劣化が依然として主要な失敗パターンであることが改めて示されました。

WDCD は 3 ラウンド構成を採用しています。ラウンド 1 では最初の指示認識を確認し、ラウンド 2 では 2,000〜5,000 語の専門文書を妨害要素として挿入して耐性を検証し、ラウンド 3 で最終的な制約維持状況を確認します。採点は AIによる判定を一切使用しないルールベース 100% で行われ、data_boundary・resource_limit・business_rule・security・engineering の 5 つの実世界シナリオにわたる 30 問から構成されています。

ラン #379 のトップ 3:

  • GLM-4.6 — 100 点、低下率 -100%
  • Grok 4 — 97.5 点、低下率 -0%
  • Gemini 3.1 Pro — 95.2 点、低下率 -0%

GLM-4.6 は満点 100 点で首位を獲得しました。Grok 4 と Gemini 3.1 Pro はいずれも全 3 ラウンドを通じて複数ターンでの指示遵守を維持し、低下率 -0% を記録しています。これらの結果は、上位グループが大量の妨害要素が存在する状況下でも指示の整合性を維持できるようになっていることを示しており、こうした傾向は過去の WDCD ラン では一貫して観測されていませんでした。

リーダーボードの下位では、GPT-o3 がラン #379 において最大の低下率となる -100% を記録し、最終的な制約確認時点でラウンド 1 の制約を完全に放棄していたことが示されました。制約を完全に維持したモデルと完全に崩壊したモデルへの二極分化が、コホート平均 -53.3% という数値をもたらしており、中間に集中するのではなく、モデル間のパフォーマンス格差が拡大していることを示唆しています。

低下パターンに関する観察:

  • 最も優れた低下耐性を示したのは GLM-4.6 でした。
  • 最も大きな低下を示したのは GPT-o3 でした。
  • コホート平均 -53.3% は二峰性の挙動を反映しており、上位モデルは低下率をほぼ 0% に抑える一方、下位モデルは -100% まで崩壊しています。

ラン #379 で確認された二極化は、WDCD データにおける広範なトレンドと一致しています。複数ターンでの指示遵守は、全モデルに共通する弱点ではなく、フロンティアモデルとそれ以下のモデルを区別する指標になりつつあります。妨害要素下での指示追従度低下は、15 モデルが競合するこのフィールドにおける信頼性の高い識別要因として機能しています。

採点ルールおよびラウンド設計の詳細は https://www.winzheng.com/yz-index/methodology に記載されています。ラン単位の生データは WDCD データ API(https://www.winzheng.com/yz-index/api/v1/dcd)から取得可能です。