Thinking MachinesがInklingを発表——9750億パラメータのマルチモーダル重みを公開

Thinking Machinesは2026年7月15日にInklingモデルを発表した。同モデルは総パラメータ数9750億、有効化パラメータ410億を持ち、テキスト・画像・音声入力に対応するほか、完全な重みをダウンロードおよびファインチューニング向けに公開している。

InklingはMixture-of-Expertsトランスフォーマーアーキテクチャーをベースとしており、事前学習データはテキスト・画像・音声・動画を含む45兆トークンに上る。最大100万トークンのコンテキストウィンドウをサポートし、有効化パラメータ120億のInkling-Smallプレビュー版も提供されている。

モデルはTinkerプラットフォーム上でAPIアクセスが可能で、コンテキストウィンドウは256Kトークン、公開重みバージョンでは1Mトークンをサポートする。価格は100万トークンあたりで算出され、64Kコンテキスト時は入力1.87ドル・出力4.68ドル、256Kコンテキスト時は入力3.74ドル・出力9.36ドルとなっている。

技術的実装アプローチ

音声入力はdMelスペクトログラムとして処理され、画像は40×40ピクセルのパッチに分割されて4層のhMLPでエンコードされた後、テキストトークンとともに共有隠れ空間へ入力される。学習はエージェント、推論、プログラミング、指示への従順性、事実の正確性など複数タスクを網羅している。

Inklingは推論強度の調整をサポートしており、開発者はパフォーマンスとトークン消費量のトレードオフを図ることができる。Terminal Benchテストでは、Nemotron 3 Ultraの3分の1のトークン数で同等のパフォーマンスレベルを達成した。

各方面への実際の影響

開発者はHugging Faceから完全な重みを直接ダウンロードしてローカルにデプロイするか、Tinkerプラットフォームを通じてファインチューニングを行うことができる。Inkling Playgroundでは、開発者がモデルと直接対話してスタイルやベンチマーク性能を評価できる。

企業ユーザーはそのマルチモーダル機能を活用して、音声・視覚入力を必要とするアプリケーションを構築できる。GDPval-AA v2におけるEloスコアは1238で、Kimi K2.6の1190やDeepSeek v4 Flash maxの1189を上回る。τ³-Bankingテストでは24%のスコアを記録し、Kimi K2.6の21%を超えた。

Artificial Analysis Intelligence Indexでは41点を獲得し、Nemotron 3 Ultraの38点、Gemma 4 31Bの29点、gpt-oss-120bの24点を上回り、米国の研究機関が公開した公開重みモデルの中でトップクラスとなった。エージェント性能とトークン効率において差別化を実現している。

比較データ対照

GLM-5.2 max、Kimi K2.6、DeepSeek v4 Pro maxと比較すると、Intelligence IndexタスクにおいてInklingはパターンとしてTokenの平均出力が25Kであるのに対し、上記モデルはそれぞれ43K、38K、37Kとなっている。

音声ベンチマークのVoiceBench、MMAU、AudioMCでは、Inklingは公開重みの音声モデルの上位に位置している。視覚タスクにおいては、Pythonツールを呼び出して画像理解を補助することができる。