SB EnergyがOpenAIに55億ドルの新株予約権を付与——オハイオ州10ギガワットのStargateデータセンター20年リース契約を確保

SB EnergyはOpenAIに対し55億ドル相当の新株予約権を付与し、その見返りとしてオハイオ州における10ギガワット規模のStargateデータセンターの20年リース契約を確保した。この取り決めはSB EnergyのIPO申請書類の草案に開示されている。

事実の整理

2026年1月、OpenAIとSB Energyは提携を締結し、OpenAIはSB Energyに5億ドルを出資するとともに、テキサス州ミラム郡における12ギガワット規模のデータセンターパークの建設・運営事業者としてSB Energyを選定した。その後、両社はさらにオハイオ州南部における10ギガワット規模のデータセンターの20年間のリース契約を締結し、初期容量は2028年の稼働開始を目標としている。SB Energyは早ければ9月にもIPOを実施し、50〜70億ドルの調達を計画しており、OpenAIはIPO後に一桁台の持株比率を保有する見込みである。新株予約権は1月の付与時点で36億ドルと評価されていたが、6月末時点では55億ドルに上昇した。

仕組みの分析

SB Energyは新株予約権を通じて、自社の評価額の成長をOpenAIと連動させている。OpenAIが支払った5億ドルの株式投資はSB Energyの資本に直接注入され、同時にOpenAIはSB Energyの主要データセンターテナントとなることを約束した。SB Energyはすでに約9ギガワット相当のコンピューティング契約を締結しており、その大部分はオハイオ州で計画中の天然ガス発電所による電力供給プロジェクトによるものである。同社は現時点で稼働中のデータセンターを保有しておらず、建設中のプロジェクトは800メガワットにとどまる。収益は主に太陽光発電と蓄電事業から得ており、2026年上半期は1億4,000万ドルを計上し、前年同期比66%増となった。申請書類によれば、オハイオ州プロジェクトの資金調達の実現はNVIDIAが提供する残存価値保証に大きく依存している。

産業への影響

OpenAIにとっては、長期的なコンピューティング能力の供給を確保し、将来の訓練規模拡大における不確実性を低減できる。SB Energyにとっては、OpenAIが中核顧客となることでIPO評価額と資金調達を支える一方、高度な依存リスクも生じる。他の大規模モデル研究機関にとっては、株式とリースを組み合わせたクロスバインディング方式が新たなパラダイムとなる可能性があり、従来のオンデマンド型賃貸方式は競争圧力にさらされる。エネルギーインフラ開発者にとっては、主要AI企業からの出資と長期リース契約がプロジェクト資金調達の重要条件となり、中小規模の開発者が電力リソースを確保する難易度が上昇する。企業ユーザーにとっては、コンピューティングリソースの賃貸コストと供給の安定性が、少数の研究機関とエネルギー事業者との協力関係によってより大きく左右されるようになる。

戦略的評価

現時点の事実に基づけば、他の大規模モデル研究機関とエネルギーインフラ事業者も同様の新株予約権または株式投資の取り決めに至る可能性がある。