AIコンパニオン企業が「マスターベーション・コンサルタント」を雇用——AIを使った自慰行為で男性の孤独を解消できると主張

AIコンパニオン企業が「マスターベーション・コンサルタント」を雇用——AIを使った自慰行為で男性の孤独を解消できると主張

WIREDの報道によると、AIコンパニオン開発会社Joi AIは近日、大きな物議を醸す研究を立ち上げた。同社は10名の「マスターベーション・コンサルタント」を雇用し、1か月間にわたってAIバーチャルパートナーを通じた自慰体験を行い、その過程における感情の変化と身体的感覚を記録するよう求めた。Joi AIはこのプロジェクトを「健康」研究と位置づけ、AIコンパニオンを用いた自慰行為が「男性の孤独解消」というグローバルな課題に貢献できるかどうかを探ることを目的としていると主張している。

「マスターベーション・コンサルタント」実験の実態

公開された研究計画によると、参加者10名は全員成人男性であり、Joi AIが開発したバーチャルキャラクターと親密なやり取りを行い、自慰行為によってオーガズムに達した後、アプリ内の日誌で主観的な体験を記録するという任務を課されている。同社は参加者に対し、カスタマイズされたAIコンパニオンの外見と音声を提供し、個人の好みに合わせた設定も許可した。同社は、オーガズム時にオキシトシンやエンドルフィンなどの「幸福ホルモン」が分泌され、男性の疎外感や不安感を一時的に和らげる可能性があり、AIコンパニオンはこの生理的反応を安全に引き起こすメディアになり得ると説明している。

AIによる感情的コンパニオン分野が「身体的親密さ」の探求を試みるのは今回が初めてではない。2020年には「AIセックスロボット」のプロトタイプを発表した開発者も存在したが、自慰行為を「孤独の療法」と結びつけ、「コンサルタント」という職名でパッケージ化したのは今回が初めてとされる。Joi AIはこのグループを「マスターベーション・コンサルタント(Masturbation Consultants)」と命名し、一定の専門的な印象を与えようとしているが、外部からはその「専門性」に対する疑問の声がすぐに上がった。

AIコンパニオン:孤独経済の解毒剤か、それとも毒か?

近年、AI感情コンパニオンアプリは「孤独経済」として巨大な市場を形成している。初期のルールベースの対話チャットボットから、長期的な記憶保持・音声による感情認識・リアルな外見を備えたデジタルパートナーへと進化し、AIは多くの都市部の独居者にとって感情的な拠り所となっている。パンデミック期間中、Replikaに代表されるAIコンパニオンアプリのユーザー数は急増し、「AIの方が人間よりも話を聞いてくれる友人のようだ」と打ち明けるユーザーも少なくなかった。

Joi AIはこの市場でさらに一歩踏み込み、「性」を差別化要素として打ち出そうとしている。公式サイトや宣伝資料では「身体的な親密さも同様に重要だ」と強調し、製品が「完全なコンパニオン体験」を提供できると示唆している。しかし、メンタルヘルスの専門家はこれに懐疑的な見方を示している。一部の心理学者は、孤独とは社会的スキルの欠如・親密な関係におけるトラウマ・現実の生活ストレスなど複合的な心理社会的状態であると指摘する。孤独を「満たされていない性欲」に還元することは、症状の緩和に役立つどころか、ユーザーをバーチャルな関係への更なる依存に陥らせかねないという。

「彼らは孤独を解決しているのではなく、孤独を利用しているのだ。自慰行為を『健康研究』と称するのは、巧妙で冷酷なマーケティングに過ぎない。」——匿名の性科学研究者

科学か、それともマーケティングか?

さらに懸念されるのは、Joi AIの今回の研究において、事前登録プロトコル・査読・倫理審査に関する情報がほとんど開示されていない点だ。研究者たちが主張する「健康上の効果」も、縦断的データによる裏付けを欠いている。厳密な性科学研究には通常、長期的な追跡調査と対照群との比較が必要であり、10名の参加者・1か月という期間では、意味のある結論を導き出すには明らかに不十分である。これはブランドの露出を短期間で最大化するために設計された「パフォーマンス・アート」に過ぎないという見方もある。

実際、AIの倫理分野において、商業企業が「福祉」の名目のもとで性的な研究を行った前例はあるが、そのほとんどは失敗に終わっている。一方では、この種の研究は一般市民の反感を引き起こし、規制当局の注目を集めることにもなりかねない。他方では、AI開発における倫理的境界を歪める可能性もある。アルゴリズムがユーザーを現実のつながりへと導くのではなく、「ユーザーの孤独に応える」方向で訓練された場合、そのプロダクトが社会に与える長期的な影響は注視に値するだろう。

編集後記

AIコンパニオンが孤独を抱える人々にとって即時的な心の慰めをある程度もたらし得ることは認めなければならない。しかし、Joi AIの今回の「マスターベーション・コンサルタント」実験は、厳密な科学的探究というよりも、周到に計画されたPRイベントに近い。これはテック業界における不穏なトレンドを浮き彫りにしている。資本は人間の最も深い脆弱性——孤独と欲望——を、定量化可能なユーザーエンゲージメントへと転換する術を学びつつあるのだ。

「AIは男性の孤独を解消できるか」を議論する前に、まず問うべきことがある。なぜ現代男性の孤独はますます深刻化しているのか。社会的サポートシステムの機能不全、職場のストレス、家族構造の変化——これらこそが問題の根本にある。テクノロジーは橋渡しとなり得るが、終着点であってはならない。ある企業が「自慰行為」で孤独に応えようとするとき、それが解決しているのはユーザーの孤独ではなく、自社の市場成長であるという疑念を拭うことはできない。

本記事はWIREDをもとに編集・翻訳したものです。