Winzheng Dynamic Contextual Decay(WDCD)ベンチマークは、多ターン対話においてAIモデルがユーザーの指示への遵守をどの程度維持できるかを測定する。2026年9月6日に実施されたRun #311では、11モデルが評価され、ラウンド1からラウンド3にかけての平均指示減衰はわずか0.9%にとどまり、今サイクルは異例なほど安定したフィールドであることが示された。
WCDは各評価を3ラウンドで構成する。R1では初期指示の受け入れをテストし、R2では2,000〜5,000語の専門文書をディストラクターとして注入し耐性を測定、R3では最終的な制約整合性の確認を行う。スコアリングはAI審査員を一切用いないルールベースで100%行われ、data_boundary(データ境界)、resource_limit(リソース制限)、business_rule(ビジネスルール)、security(セキュリティ)、engineering(エンジニアリング)という5つの実世界シナリオにまたがる30問が対象となる。
Run #311のトップ3ランキング:
- Grok 4 — 93.2点、-25%減衰
- GLM-4.6 — 91.4点、-50%減衰
- DeepSeek V4 Pro — 88点、-12%減衰
絶対スコアではGrok 4が最高点を獲得したが、最も注目すべき結果はGLM-4.6であり、-50%という減衰値を記録した。これは今回のRunで計測された最強の多ターン遵守耐性である。マイナスの減衰値は、これらのモデルがR2でディストラクター文書にさらされた後、元の制約から逸脱するのではなく、むしろ遵守度が向上したことを示している。
一方、最も低い減衰パフォーマンスを示したのはGPT-o3で、-37%を記録した。なお、WCDDの符号規則のもとでは、この値も耐性レンジ内に位置するが、他モデルとの比較においては、3ラウンドを通じた制約強化が相対的に弱いことを示している。
Run全体に関する考察:
- R1→R3の平均減衰0.9%は、フィールドが密集していることを示しており、ほとんどのモデルがディストラクター注入を経ても指示の忠実性を維持している。
- Grok 4とGLM-4.6は引き続き首位を争っており、GLM-4.6は絶対スコアではなく減衰耐性で差別化を図っている。
- DeepSeek V4 Proはトップ3の中で絶対的な減衰量が最小(-12%)であり、ラウンドをまたいだ最も安定した行動プロファイルを示している。
スコアリングルールおよびラウンド定義の詳細:https://www.winzheng.com/yz-index/methodology
機械可読の結果データ:https://www.winzheng.com/yz-index/api/v1/dcd
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