WDCD Run #276:Grok 4が94.8点でトップ、平均指示減衰率は-18.2%

Winzheng Dynamic Contextual Decay(WDCD)ベンチマークは、AIモデルが複数ターンの対話においてユーザー指示への遵守度がどのように低下するかを測定するものです。2026年8月12日実施のRun #276では、11モデルが評価され、ラウンド1からラウンド3にかけての平均遵守率の減衰は-18.2%となりました。

上位ランキング — Run #276

  • 1位 Grok 4 — 94.8点(減衰率:-50%)
  • 2位 Gemini 3.1 Pro — 91.3点(減衰率:-50%)
  • 3位 GLM-4.6 — 88.5点(減衰率:0%)

絶対スコアではGrok 4がリーダーボードのトップに立ち、GLM-4.6は上位3モデルの中で3ラウンドを通じて測定可能な指示減衰を示さなかった唯一のモデルとなりました。Gemini 3.1 ProはGrok 4と同様に-50%の減衰プロファイルを示しましたが、総合得点では及びませんでした。

減衰パターン

全体平均-18.2%という数値は、ラウンド2で妨害コンテンツが挿入されると、ほとんどのモデルが複数ターンにわたる指示遵守において依然として大きな低下を示すことを意味します。この指標で最も低いパフォーマンスを示したのはGPT-o3で、-100%の完全減衰を記録——つまりラウンド3までに制約の整合性が完全に崩壊しました。一方、Grok 4は減衰が生じたモデルの中で最も高い減衰耐性を示し、損失を-50%に抑えました。

生スコアと減衰耐性のギャップは、WDCDで繰り返し確認される知見を浮き彫りにしています。すなわち、ラウンド1での高い承認率がラウンド3でのコンプライアンスを保証するわけではない、という点です。GLM-4.6は総合スコアこそ低いものの、フラットな減衰曲線を示しており、安定した複数ターン遵守能力が初回ラウンドのパフォーマンスとは独立して成立し得ることを示しています。

評価手法の概要

WDCDは3ラウンド方式を採用しています。R1は指示の承認をテストし、R2は2,000〜5,000語の専門ドキュメントを注入した後の妨害耐性をテストし、R3は最終的な制約整合性チェックを行います。スコアリングはAIによる判定を一切用いない100%ルールベースです。テストスイートはdata_boundary(データ境界)、resource_limit(リソース制限)、business_rule(ビジネスルール)、security(セキュリティ)、engineering(エンジニアリング)の5つの実世界シナリオにわたる30問で構成されています。

スコアリングは決定論的であるため、WDCDの結果は実行をまたいで再現可能であり、時系列での直接比較が可能です。ここで測定される指示減衰は、同一の制約セット下におけるR1とR3のコンプライアンスのデルタ値を反映しています。

参考リンク