ニューヨーク・タイムズ、マイクロソフトがOpenAIのために著作権侵害を助けるスーパーコンピューターを建設したと告訴

ニューヨーク・タイムズ、マイクロソフトがOpenAIのために著作権侵害を助けるスーパーコンピューターを建設したと告訴

生成AIの波が世界を席巻する中、著作権紛争はテクノロジー大手の頭上に垂れ下がるダモクレスの剣となりつつある。Ars Technicaの報道によると、ニューヨーク・タイムズ(NYT)は最新の修正訴状において、マイクロソフトがOpenAIのために専用スーパーコンピューターインフラを構築し、同社がNYTのニュース記事の著作権を組織的に侵害するのを幇助したと主張する重大な告発を行った。

告発の核心:スーパーコンピューターが著作権侵害の新たな証拠に

この修正訴状は、マイクロソフトとOpenAIの協力関係が単純な投資関係にとどまらないと指摘している。マイクロソフトはAzureクラウドコンピューティングリソースを提供しただけでなく、「GPT-4を含む大規模言語モデルの訓練に使用するため、高性能スーパーコンピューターシステムを専ら設計・構築した」とされる。NYTは、これらのモデルの訓練過程において著作権で保護された同社のニュース報道が大量に使用されており、マイクロソフトはその行為が侵害にあたることを知りながら、算力(コンピューティングパワー)の提供を通じて「共同侵害者」となったと主張している。

この告発が提起されたタイミングは示唆に富む。その直前、米国最高裁判所がソニーに関する別の著作権訴訟において著作権者に不利な判決を下し、著作権保持者が第三者による技術利用に対して追及できる範囲を制限していた。法律アナリストは、NYTがその判決の教訓を踏まえ、技術提供者の「積極的関与」という観点からより説得力のある侵害の連鎖を構築しようとしていると指摘する。すなわち、AIモデルが侵害コンテンツを出力したことを証明するだけでなく、インフラ提供者が侵害の意図的な促進者であることを証明しようとしているのだ。

「この訴訟は、AI著作権紛争が『モデルの出力』段階から『訓練インフラ』段階へと移行したことを示している。」——著作権弁護士、スタンフォード大学インターネット・アンド・ソサイエティ・センター研究員 李明远

背景分析:OpenAIとマイクロソフトの深い結びつき

2019年にマイクロソフトがOpenAIに10億ドルを投資して以来、両社の協力関係は深化し続けている。2023年までにマイクロソフトは累計130億ドル超を投入し、GPTモデルの独占商業ライセンスを取得したほか、算力アーキテクチャの設計にも深く関与している。公開情報によると、GPT-4の訓練のためにマイクロソフトが構築したAzure AIスーパーコンピューターには数万基のNVIDIA GPUが使用されており、その算力規模は一部の国家級スーパーコンピューターセンターに次ぐものである。

NYTは2023年12月にOpenAIとマイクロソフトを初めて提訴し、NYTの記事を「大規模かつ組織的に」複製してAIモデルの訓練に利用したと主張した。当初の訴訟は主に、モデルが原文の段落をそのまま出力したり、虚偽の引用を生成したりする問題に焦点を当てていた。しかし、ソニー訴訟における最高裁の判決——技術の使用方法に基づく著作権者の間接侵害請求を制限した——を受け、NYTの法律チームは戦略を転換した。「モデルが保護されたコンテンツを『学習』したかどうか」という定量化が難しい問題に拘泥するよりも、「専用スーパーコンピューターの建設という明確な技術的協力行為そのもの」を直接の標的にする方向へと舵を切ったのだ。

編集後記:テクノロジーと著作権の新たな攻防

この訴訟は、AI時代における著作権法が直面する深層的な課題を映し出している。従来の著作権法における「複製と表現」の二分法は、機械学習の文脈では曖昧になる。モデルを訓練するには各著作物について事前に許諾を得る必要があるのか?算力プラットフォームを提供する企業は「侵害幇助」の責任を負うべきか?

NYTの訴訟戦略の転換は、本質的に「事実上の因果関係」をめぐる戦いである。「マイクロソフトが専用スーパーコンピューターを建設した」という具体的かつ検証可能な技術的行為を、「データ入力」と「侵害出力」をつなぐ重要な鎖として位置づけようとしている。法廷がこの論理を受け入れれば、将来的にAI訓練のために専用算力を提供するあらゆるクラウドサービス事業者が同様のリスクに直面しうる。これは、大規模モデルの訓練コストが「算力への投資」に加え「著作権ライセンス料」が上乗せされる形で急増する可能性を意味する。

もちろん、マイクロソフトとOpenAIには十分な反論の余地もある。スーパーコンピューター自体は中立的な技術であり、その設計目的は訓練の高速化であって侵害に特化したものではない。NYTの記事は公開インターネット上で合法的にクロール可能であり、AIモデルによるテキストの「学習」はフェアユース(公正使用)の範囲に含まれる。この訴訟の行方は、AI産業チェーン全体の協力モデルを再形成する可能性がある。

「判決の結果がどうなるにせよ、この訴訟はすでに核心的な問題を俎上に載せた。AIが知識を呑み込む時代において、人間が生み出した知的結晶はいかにして機械に『与えられる』べきなのか?」

本稿執筆時点において、マイクロソフトとOpenAIはいずれも修正訴状に対して正式なコメントを発表していない。しかし事情を知る関係者によると、両社はスーパーコンピューターのアーキテクチャ文書、データクリーニングプロセス、モデル訓練コンプライアンス報告など、大量の技術的証拠の準備に着手しているという。算力と著作権をめぐるこの戦争は、まだ幕を開けたばかりだ。

本記事はArs Technicaより編訳