プロジェクト管理ソフトウェア企業のMonday.comは先日、従業員総数の約7%にあたる約200人の削減を発表し、人員削減の理由を人工知能(AI)技術の進歩に公式に帰した企業の一つとなった。社内向け覚書の中で、Monday.comのCEOであるRoy Mannは、同社が「AIを積極的に取り込んでいる」と述べ、カスタマーサポートの自動化、インテリジェントスケジューリング、コード生成などのツールを通じて業務効率が大幅に向上したため、「同規模の人的サポートはもはや必要ではない」と説明した。
この発表は業界で即座に注目を集めた。Monday.comが孤立した事例ではないからだ。TechCrunchの継続的な追跡によると、2026年7月時点で、今年だけで少なくとも時価総額10億ドル超のテック企業20社がリストラの理由としてAIを明示しており、世界規模の「AIリストラの波」が形成されている。
テック企業20社の「AIリスト」
TechCrunchがこのリストを時系列の逆順でまとめた。Monday.comのほか、以下の企業が含まれる:
· Google:1万2,000ポジションを削減。CEO Sundar PichaiはAIが検索広告最適化業務を担えると発言
· Microsoft:1万人の従業員を削減。クラウドコンピューティングとカスタマーサポート領域でAIが一部人材を代替
· Amazon:1万8,000人を削減。インテリジェント倉庫管理とAIカスタマーサービスシステムが人的需要を低減
· Meta:1万1,000人を削減。AIによるコンテンツモデレーションと推薦アルゴリズムが人的介入を減少
· IBM:採用を停止し3,900人を削減。AIが一部のテクニカルサポートおよび管理業務を代替可能と判断
· Salesforce:8,000人を削減。AIによる営業リード生成ツールがジュニアアナリストを代替
· Uber:カスタマーサービスおよびデータアノテーションチームを削減し、AIチャットボットを導入
· Duolingo:契約翻訳者の10%を解雇。AI言語モデルが品質基準を満たすと判断
· Chegg:従業員の15%を削減。AIによる質問応答ツールが従来の個別指導事業に打撃
· Grammarly:校正・編集担当者の5%を削減。AIのライティング能力が人間を上回ると判断
他にリストに含まれる企業として、Zoom、Robinhood、PayPal、Twilio、Zendesk、Atlassian、Freshworks、Canva、Notion、Slackがある。これらの企業の削減規模は数百人から数万人まで様々だが、共通点はいずれもAIを構造的な調整の中核的要因として挙げていることだ。
AIリストラの背景にある産業論理
この波は偶然ではない。2022年末にChatGPTが生成AIブームに火をつけて以来、大規模言語モデル(LLM)とマルチモーダルAIの商業化が加速してきた。企業は、カスタマーサービス、コンテンツ制作、コーディング、データ分析、プロセス自動化などの分野でAIの効率が人間の従業員に匹敵するか上回るレベルに達しており、しかもコストが大幅に低いことを実感している。利益率と俊敏性を追求するテック企業にとって、「AIによる人材の代替」が最も直接的なコスト削減・効率化策となっている。
Monday.comを例に取ると、同社が新たに発表した「AI Agent」機能は、タスクの自動割り当て、プロジェクトリスクの予測、チケットへの自動返信が可能であり、社内テストによれば日常的なコミュニケーション需要の60%をカバーできるという。同様に、Amazonのスマート倉庫ロボット物流システムはすでに「完全無人」のソーティングを実現しており、GoogleのAI広告システムは広告運用担当者の需要を約70%削減している。
編集後記:AIはツールであり、言い訳ではない
考えさせられるのは、リストラを直接AIに帰することが、ときにPR戦略の一つとなりうる点だ。資本市場の圧力下では、「AIの活用」は「コスト削減」より先見性があるように聞こえる。MetaのZuckerberg氏、MicrosoftのNadella氏はともに決算説明会でリストラは「AIファースト戦略への集中」のためと強調した。だが、その背景にあるのは技術による代替なのか、資本の意志なのか。
客観的に見れば、AIは確かに一部の反復的な業務を消滅させているが、同時にAIトレーナー、プロンプトエンジニア、モデル倫理審査員など新たな職業も生み出している。問題の核心は、AIを使うかどうかではなく、企業がいかに責任ある移行を行うかにある。削減された従業員に再教育を提供しているか、社会的責任基金を設けているか。現時点では、大半の企業が満足のいく回答を示していない。
さらに、この波は教育システムと労働政策の変革をも促している。ホワイトハウスはすでに「AIと雇用タスクフォース」を設立しており、EUは「AI法」の雇用への影響に関する条項を改訂中だ。中国、インドなどの新興市場も、単純な代替ではなく「人間とAIの協働」モデルを積極的に模索している。
総じて、Monday.comのリストラは孤立した出来事ではなく、テック業界が「労働集約型」から「インテリジェント集約型」へと深く転換していることを示している。2026年の今から振り返れば、これはおそらく序章に過ぎないだろう。
本記事はTechCrunchより編訳
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